治療法
当院の治療内容
採卵
採卵とは、卵巣内で育った卵胞から卵子を取り出す処置のことです。
体外受精や顕微授精を行う際に欠かせない大切なステップで、排卵の直前に卵巣を穿刺して卵子を吸引し、採取します。
自然周期
自然な周期での卵胞の成長過程では、いくつかの卵胞が同時に育ち始めます。
その中からひとつだけが特に大きく成長して「主席卵胞(しゅせきらんほう)」となります。
この主席卵胞は排卵に向けて成熟を続け、やがて排卵されます。
一方、その他の卵胞は途中で成長を止め、自然に小さくなっていきます。
このように、体の中では“ひとつの卵胞が選ばれて育つ”仕組みがあり、この現象は「卵胞選択」と呼ばれます。
医学の教科書でも基本的なしくみとして説明されている、自然な体の働きです。

刺激周期(調節卵巣刺激)
刺激周期では、薬や注射で卵巣を刺激し、複数の卵胞を同時に育てます。
自然周期では1つの卵胞だけが排卵しますが、刺激周期では複数の卵子を採取できる可能性があります。
刺激の強さや薬の種類は、卵巣の反応や年齢などに合わせて調整されます。
ただし、刺激が強すぎると卵巣過剰刺激症候群(OHSS)と呼ばれる副作用が起こることがあります。
卵巣の腫れやお腹の張り、体重増加などの症状が出ることがあり、まれに重症化する場合もあります。

低刺激法 + 小卵胞採卵
小卵胞採卵(しょうらんほうさいらん)とは、10mm未満の小さな卵胞からでも卵子を採取する技術です。
このような小さい卵胞から卵子を採取するのは、通常の太さの採卵針や一般的な超音波診断装置では非常に難しく、高度な技術を必要とします。
また、卵胞の大きさと卵子の成熟度は、必ずしも一致するわけではありません。
卵胞が小さくても、その中の卵子がすでに成熟している場合があります。
ただし、小卵胞から得られる卵子が成熟している割合は、主席卵胞に比べると低くなります。
必要最小限の刺激で卵巣への負担を抑えつつ、小卵胞採卵を併用することで卵子の回収率を上げることができる治療法です。

媒精
媒精とは、採取した卵子に精子を加えて、体外で受精させることをいいます。
体外受精の過程の中で、卵子と精子を出会わせるステップです。
体外受精(C-IVF)
精子を振りかける方法
卵子・精子ともにコンディションが良好な場合に実施

顕微授精(ICSI)
顕微鏡を見ながら針で精子を注入する方法
当院では以下の所見がある場合に実施
卵子が未熟又は成熟して間もない
卵子に形態的不良所見がある
精液検査時、両行精子が少ない
精製後、良好精子の回収が少ない

胚移植
胚移植とは、体外で受精・培養して育てた胚を子宮内に戻す処置のことです。
受精卵が子宮の中で着床し、妊娠へとつながる大切なステップです。


